日本列島も縄文時代までさかのぼれば、西日本は照葉樹林、東日本は落葉樹林の原風景が見られたはずである。その縄文時代においても、人間の度重なる干渉や自然の利用はあったものの、弥生時代における稲作の始まりが照葉樹林を一変させていく契機になったと考えられている。
稲作が始まる前の縄文人の生活にとって、どんぐりをはじめとする堅果類やクズなどの根茎類などは、彼らにとって主食の1つであった。奈良
県をはじめ、全国の遺跡でどんぐりの貯蔵穴が見つかっている。また、食料としてだけでなく、ブナ科の木は、材としても幅広く利用されている。
そうしたどんぐりの木と人との関わりを探ってみたい。
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