遺跡名 |
本郷大田下遺跡 |
中貫柿ノ木(なかづらかきのき)遺跡 |
住 所 |
宇陀市大宇陀区本郷 |
奈良市中貫町 |
時 期 |
縄文時代後晩期:貯蔵穴(42基)
※古墳時代の竪穴住居(1棟)を含む複合遺跡 |
3000年前(縄文時代後期):貯蔵穴(2基) |
当時の植生 |
2万年前頃? :ミズナラ林(冷温帯落葉広葉樹林)
縄文中期以前?:クリ林
縄文後期前半頃:カシ林(暖温帯照葉樹林)
縄文後期末〜晩期前葉頃:トチノキ林 |
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調査時期 |
999年6月〜9月
調査 |
2008年7月に現地説明会実施 |
貯蔵穴 |
配置 |
古く埋没した沢(自然流路)に沿って帯状に並ぶ分布。当時の様子を推定するに、平時にも少量の水がゆるやかに流れており、地下には豊富な伏流水も流れていたと思われる。 |
東西に続く谷地形の北斜面にあり、この場所は地下水位が比較的高く、常に地下水が流れている環境を選んで作られている。また、田原地区では須山町でもドングリピットが見つかっている。 |
目的 |
伏流水の湧出による堅果類の水漬け保存。
蔵と空の貯蔵穴の管理のサイクルをシーズンごとに繰り返す短期貯蔵。 |
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経営者 |
周辺地域では、今のところ同時期の集落遺跡は見つかっておらず、貯蔵場を経営した人々の居住地がどこに存在したかわかっていない。また、加工作業が行われたことを示す用具も出土しておらず、この遺跡はもっぱら堅果類を貯蔵する目的のために限定的に利用された貯蔵場遺跡とみられる。 |
ある時期の洪水によって、この場所は埋まり、ここに貯蔵した縄文人たちはどんぐりを探し出して食べることができずじまいであった。 |
大きさ |
直径・深さとも1〜1.5m前後の円形土坑 |
直径45cm |
構造 |
内部にどんぐりを入れ、小葉や小枝を詰めこんだのち、蓋をかける構造。蓋は雑木の幹や板材・棒材などの廃材を二次利用し、その上に石を置いて重しとする。 |
穴の底には木の枝や葉などを敷き詰めるように入れている。 |
どんぐりの
種類 |
アカガシ亜属(シラカシ等)
イチイガシ、イヌブナ
クヌギ(少量) |
ツクバネガシ(長さ1.5cm/推定総数6741個) |
他の堅果 |
トチノキ
イヌガヤ、カヤ、オニグルミ、クリ(少量) |
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