『葛嶺雑記』
(江戸時代後期)
智航/
犬鳴山七宝龍寺 |
亀の尾宿
同国葛下都西北山の尾崎よりあみ
亀瀬川へなだれ出たる所なり
川中に亀石紫石雲石口其外奇石峭立して絶景なり。又自然に梵書のやうにあらはれみゆる大石あり。正しく高祖の御作にや。これを亀瀬の経石といへり
妙普賢菩薩勧発品第二十八之地
習のうらや島根をかけてやつをふみこゝになかめのをはり成らん
此嶺中に、都合百八所の行所あり。故に菩提のみねともいふ。其内順路の所のみ。こゝに出して洩るところは往古より遙拝の箇所なり。また不順路ゆゑに遥拝なりし所もありんか追日正して別に記ス。 |