Mountain Guide
                         くりんとの登山ガイド

           
   
 逆峠から小処温泉へ
逆峠手前の展望良好地より東大台を望む

 
ミズナラの巨木   左)蒸籠ー 右)大蛇ー

 昭和36年(1961年)に大台ヶ原ドライブウェイが開通するまで、大台ヶ原への奈良県側からの登山道として、上北山ルート(河合〜小橡〜木和田〜逆峠〜開拓〜大台教会)と川上ルート(柏木〜入之波〜筏場〜大台辻〜大台教会)の2つが一般的であった。しかし、歴史 を遡れば、明治期の西大台開拓や大台ケ原開山の父古川嵩氏が大台教会を設立するに至っては、上北山からの入山ルートがもっぱら使われている。現在、 この上北山ルートは、小処温泉から逆峠へ通じる登山道が整備されており、木和田からのルートは崩壊箇所があって通行止となっている。一方、川上ルートの筏場登山道の方は、釜の公吊り橋手前の河岸〜川上辻間が通行禁止である。(平成26年3月現在)

 さて、小処温泉〜西大台のルートであるが、問題は小処温泉までバス等の公共交通機関が通じていないことである。したがって、例えば登山仲間と車2台で行き、小処温泉に1台を置いてからビジターセンター前までもう1台で走り、西大台からの下山ルートで小処温泉に到着してから、もう一度ビジターセンターまで 車を取りに戻る必要がある。また、このコースは、西大台を通過するため、自然公園法に基づく申請手続が必要である。最近は、手続き方法もずいぶん便利になったが、それでも入山前にレクチャーを受けなければならない。 いずれにしても、めんどくさいハードルがあるので、東大台の喧騒とはかけ離れた静かな大台ケ原を楽しむことができる。

  ビジターセンターでレクチャーを受けた後、午前9時30分に出発。今回は、大台教会から七ツ池湿原〜開拓分岐を通って逆峠〜小処温泉をめざすコースを歩いた。西大台の周回コース紹介は別項にあげるとして、開拓分岐付近 までくると、ここはツキノワグマの目撃情報の多いとこ ろである。赤い吊り橋の方には行かず、分岐を右へ折れると10〜15分程度の登りで 見晴らしのいい展望地に出る。途中、「カボチャの木」と称されているミズナラの巨木がある。大人5人が手をつないでやっと届く幹廻りなので、是非、ご挨拶しておきたい。この展望地は、東ノ川を挟んで大蛇ーの向かいにあたるので、双眼鏡をもっていけば大蛇ーに出てきた登山客の姿もよく見える。ここでお弁当を広げれるような時間設定が望ましい。この日は、紅葉に眼を奪われ過ぎたせいか、午後12時30分過ぎの昼食となった。

大蛇ーより逆峠を望む(小処温泉へはこの稜線に沿った登山道を歩く)

 ところで、大蛇ーを訪れたとき、東ノ川の渓谷をはさんで真 向かいに見える稜線沿いに、今回の登山道がある。最も小高く見えるピークが逆峠で、さらに左手へと進む。展望地から逆峠をめざすと、すぐに西大台利用調整区域と別れを告げるゲートがあり、 ここから尾根伝いに穏やかな登山道が続く。途中、崩落箇所を避けるための高巻ルートがありひと汗かかなければならない。逆峠には標識があり、ここからゆるやかな下りルートになる。動物の気配はしても、人の気配はまったくしない。
 ただ、ところどころに登山道沿いの大きなブナの木に打ち込まれた、白い磁器が気にかかる(※右画像)。調べてみると、大台ヶ原の気象観測にも意欲的であった 大台教会の古川嵩氏は、出水警告を下流の河合村林業組合に連絡する方法として、大正14年(1925年)に電話線の架設を大台教会−逆峠−河合間に施した という。
 北方向には、遠く稜線沿いに走る大台ケ原ドライブウェイが目に入る。やがて、

広葉樹林に別れて人工林に入る。時折、林道を使いながら、再び急こう配の登山道
 という繰り返し。川のせせらぎが聞こえてくるころに、小処温泉の施設が見えてくる。この日の到着は、午後4時30分。ちょっとゆっくりしすぎたかな。せっかくなので、 復旧したばかりの小処温泉のお湯につかり、この日一日の疲れを癒す。

 
 
 
   

 
   

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