最もポピュラーなボール状のアジサイは「セイヨウアジサイ」で、日本原産のガクアジサイを改良した品種である。一般に花と言われている部分は「装飾花」で、雄しべと雌しべが退化しており(中性花)、花弁に見えるものは萼(がく)である。セイヨウアジサイは、ガクアジサイの両性花が全て装飾花に変化したもので、結実しない。
アジサイ属の野生種としては、日本には以下のようなものがある。「バイカウツギ」や「ノリウツギ」はアジサイ属であって、ウツギ属ではないからややこしい。私的には、装飾花のあるものはアジサイの仲間ととらえている
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ただし、装飾花があっても「イワガラミ」はアジサイ属ではなくイワガラミ属と分離している。そうなると、同じつる性の「ツルアジサイ」と「イワガラミ」の見分けが難しくなる。花が咲いてれば、ツルアジサイの装飾花は4枚なのに対して、イワガラミのは1枚。また、葉の鋸歯の細かいのがツルアジサイで、粗いのがイワガラミと判断するが、葉を落とした後は極めて困難となる。ちなみに、ツルアジサイの樹皮は赤茶色で薄く剥がれているのに対して、イワガラミの樹皮は白っぽく縦に細かな亀裂が入っているということでどうだろう。
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