【アキアカネ】
トンボ科アカネ属のアキアカネはいわゆる「赤とんぼ」で、狭義ではこの種だけを指して呼ぶ「赤とんぼの中の赤とんぼ」である。とまり方にも特徴があり、多くのトンボは翅を水平かあるいは閉じてとまるのに対し、アキアカネは翅をやや下げてとまる。秋に交尾をして産卵し、卵のまま越冬して春に孵化し幼虫(ヤゴ)となる。ヤゴは5月末から6月下旬に羽化し、やがて日中の気温が20-25℃程度の山地を求めて移動する。7〜8月の間山地で過ごし、通常秋雨前線の通過をきっかけに群れをなして平地に移動、11月頃まで交尾の季節を迎える。1年1世代。
大台ヶ原はアキアカネの避暑地であり、ここにいる間はやや黄色味がかった姿で見られる。人なつっこい昆虫で、カメラの届く範囲で止まってくれるからシャッターチャンスは多い。さて、大台のアキアカネはどこから来てどこへ帰るのか。以前、ビジターセンターの職員が羽に印をつけて尾鷲方面まで追跡調査したようだが、今のところ追跡に成功していないらしい。
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