植物にあまり興味がない人でも、森を歩いていて真っ赤な実を見つけると、「何という名の植物だろう?」と
近づいてみたくなる。赤い色は昆虫には見えにくいが、人間や鳥には見える。虫には食べられにくいが、鳥や動物には食べてもらえる、植物には都合のいい色。
これら木の実は、言うまでもなく植物にとって繁殖のための種子であり、広範囲に散布されるための様々な戦略がある。
○ 風散布植物(滑空型、回転型、落下傘型、綿菓子型、微細種子型)
○ 水散布植物(ヤシ型、オヒルギ型)
○ 自発散布植物(マンサク型、ホウセンカ型、フジ型)
○ 動物散布植物(被食型、貯食型、付着型、アリ散布型)
ここでは、赤い実の多くがそうである、動物散布
植物の中の「被食型」の種子を中心に紹介していきたい。この「被食型」は、果実に動物への報酬となる可食部があり、種子の多くが消化されずに排泄されることによって散布される。もちろん種によっては、人間にとっても美味しい果実もあり、それら「木の実」と呼ぶ狭義のくくりであろう。 |