「冬芽(ふゆめ、とうが)」というのをご存知だろうか。
秋になって葉の落とした落葉樹は、翌年の春の芽吹きのために早くも準備を始めている。
近づいて枝の先っぽをよく観察してみると小さな芽を見つけることができるが、これが「冬芽」。
(ちなみに、常緑樹にも「冬芽」は見られる。)
そして、硬い鱗片で覆われているものを「鱗芽(りんが)」、芽がむき出しで毛などで覆われているものを「裸芽(らが)」といって、それぞれの方法で冬の寒さや乾燥から芽を守っている。
そこでおもしろいのが、「冬芽」の下や枝の途中に見られる葉っぱが落ちた後の「葉痕(ようこん)」。
その「葉痕」が輪郭となり、その中の養分や水分を運んでいた「維管束痕(いかんそくこん)」が動物や人間に似た様々な表情を作る。
オニグルミ、トチノキ、クズ、キハダなどはその代表格だが、公園や庭先で見られるアジサイやカキノキ、ウメにも見られる。
となれば、接写が容易になったデジカメを手に、冬の楽しみが増えたというわけだ。 |