昨年の春、知人から分けてもらったニホンミツバチの巣箱を裏山に設置して1年余り。何とか冬も越し、今年こそハチミツをいただこうとタイミングを推し量っていた。養蜂のイロハもわからず、本とネット情報を元に採蜜を決行したのが梅雨も半ばの6月21日。
重箱型3段式の巣箱をひっくり返し、底からのぞくと上から2段目を越すぐらいの巣の大きさに育っていたので、上1段目分を切り取ることにする。慣れないせいか、都合3匹のミツバチに手を刺されることになるが、ザル2杯分の巣を取り出し、あとは重力に任せて蜜が滴り落ちるのを待つというわけだ。一度やってみたかったのが、素手で蜜が滴る蜂の巣を取り出し、そのまま口の中に放り込むしぐさ。口の中いっぱいに幸せを噛みしめるひと時だ。
ここまでは順調。泥棒の入った巣は、その後もミツバチたちが忙しく出入りをしている様子で、今後も問題なく営巣していくだろう。さてこの時期、女王バチが次世代の新女王に巣を譲り、自分は新たな巣を求めて働きバチたちを引き連れ引越しする「分封(ぶんぽう)」という営みを控えている。その分封群をうまくゲットできれば巣箱を2つに増やすことができるのだが、いつその旅立ちに出会えるかは不確かである。
そこで、意図的に分封を操作をする「人工分封」という作業によって巣箱を2つ、3つと増やす方法があるのだが、今のところ失敗続き。養蜂の悪戦苦闘は、今しばらく続きそうである。
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