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やまとの花手帖

 
         
         

シロヤシオ (白八 汐)

ツツジ科ツツジ属

東大台(2011.6.12.)

 大台ヶ原のリピーターは花の季節をよく知っている。5月下旬はツクシシャクナゲ、6月に入ればアケボノツツジ、サラサドウダン、そしてシロヤシオが見頃を迎える。いずれもツツジの仲間だ。大台でガイドをする時には、「シロヤシオは別名五葉ツツジともいい、愛子内親王のお印です」と説明すると女性陣の食いつきがよい。すると、「大台に“アカヤシオ”はありますか?」となかなかマニアックな難問をぶつけてくる登山客もいる。アカヤシオは、大台では今のところ確認されておらず、すぐ近くの御在所岳(三重県・滋賀県)以東がアカヤシオ、大台ケ原以西がシロヤシオと自生地を分けている。
 さて、どんぐりに成り年・不成り年があるように、花にも成り年・不成り年がある。植物にとっては、花を咲かせたり実をつけたりする作業には相当なエネルギーを費やすため、その準備が整っていないときにはあっさりと繁殖戦略を放棄してしまう。大台ヶ原のように標高が高く生育環境の厳しいところでは、そうした判断がその後の生死を分けかねないため、無理はしない。
 2011年6月、東大台に開花したシロヤシオは、6年に一度という当たり年だった(ビジターセンター職員・談)。どの個体もたわわに花を付け重たそうである。とりわけ日出ヶ岳山頂下の展望台から正木ヶ原山頂までの木道が、シロヤシオのトンネルとなっており大台一の見どころである。花弁は、蜜標が緑色をしているせいか寒色系の雪のような白色をしているが、なかにはピンク色が入ったもの、さらに花弁全体が淡いピンク色をしたものなど個体差もある。いや待てよ、ひょっとしてアカヤシオの花粉が忍び寄ってきているのでは?

 5〜6月
 本(太平洋岸)・四