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やまとの花手帖

 
         
         

ホタルブクロ (蛍袋、火垂袋)

キキョウ科ホタルブクロ属

大塔(2006.6.14.)

 初夏、国道168号線を十津川に向けて車を走らせると、道路際に白い花をつけたホタルブクロが並ぶようになる。全線アスファルト舗装されているが、道路脇に貯まった薄っぺらい土砂を床にしながらしたたかに生きている。この生命力は強靱で、以前、わが家の庭に一株移植すると、地下茎が伸びだし一直線上に等間隔で芽を出し始めた。
 釣鐘状の花は地面に向かってぶら下がっているが、マルハナバチというポリネータ−がいる。トリカブトやツリフネソウがそうであるように、この釣鐘の形状や大きさもマルハナバチと共に進化してきた。ところが、細長い釣鐘の内部で昆虫が出入りすると、自家受粉をしDNAの多様性が失われてしまう恐れがある。したがって、ホタルブクロは、自家受粉では種ができない性質を持つと共に、雄しべは開花直前に葯を開いて花柱の毛に花粉をこすりつけ早々に枯れてしまう。開花してからは、花柱についた花粉が花の奥の蜜を求めて入り込んできたマルハナバチによって送粉されていく。したがって、この時期は雄花期となる。数日たつと、花柱の毛は落ち柱頭(雌しべ)は3裂して、雌花期(受粉期)に入る。巧妙な仕掛けだ。

 6〜7月
 北・本・四・九