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やまとの花手帖

 
         
         

日本の野山に自生する牡丹の仲間ヤマシャクヤク (山芍薬)

ボタン科ボタン属

金剛山・カトラ谷(2014.5.17.)

 日本に自生するボタン科の仲間は、ヤマシャクヤクとベニバナヤマシャクヤク。中国が原産のボタンやシャクヤクは当初は薬草として持ち込まれたものらしい。八重咲きで大きな花をつける中国産のものは、やがて観賞用として園芸品種が普及した。ボタンの寺として賑わう長谷寺(桜井市)のものがそうである。
 日本古来のボタンが自生すると聞けば、好奇心がそそられる。花札にも描かれているど派手な花は、どう考えたって日本の野山には似合わない。はたしてどんなボタンが咲いているのだろうか。そんな好奇心が年々高まり、自生地を探した。
 そんな願いが届いたのか、金剛山のカトラ谷でヤマシャクヤクの群生地に遭遇する。ヤマシャクヤクの花は一重だが、山野草の中ではけっこう大きな白い花を付ける。日本の野山には、こちらのボタンがよく似合う。

 秋に実が熟すと、結実しない赤色と結実した黒色の種子ができ、ああやっぱりボタンの仲間だなと再認識した。

 


 5〜6月
 本・四・九