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やまとの花手帖

 
         
         

ヤマルリソウ (山瑠璃草)

ムラサキ科ルリソウ属

葛城山(2006.4.30.)

 ラピス・ラズリという鉱石の和名は「瑠璃(るり)」。アジアではアフガニスタンなどで産出し、シルクロードを通じて日本にも渡ってきたが、庶民が容易に目にする代物ではなかった。しかし、自然界には意外にもその名の色彩が多く存在し、人々は生き物にその名を与えた。オオルリ、コルリ、ルリビタキ、ルリシジミ、ルリセンチコガネ、そしてヤマルリソウ。
 雲一つない突き抜けるような青空。いやいや、まだそれは瑠璃色ではない。しかし、標高が3000mを超すような高い山に登ると、大気が薄くなってくるせいか、宇宙を垣間見たような一層濃い青空へ変化していく。そこは大気圏と宇宙空間の狭間。私的には、そこにも「瑠璃色」を命名したい。

 さて、ヤマルリソウの株を分けてもらって鉢植えで育ててみた。施肥に水やりと環境が整ったせいか、ずいぶん大きな株に成長し花もたくさん咲かせた。しかし、少し興ざめした感 も否めなかった。そう、私が初めてヤマルリソウを目にしたのは、葛城山の登山道脇の岩場に取り付き精一杯咲き誇っていた数輪のヤマルリソウ。一服の清涼水のように私の目も心も癒してくれた。多くの山野草がそうであるように、この花も野に在ってこそ美しい。そして、またその花に逢いにそこに行きたくなる。

 4〜5月
 本・四・九