● 世界遺産・玉置神社 |
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神代杉 |
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ここ十津川村玉置神社は、「紀伊山地の霊場と参詣道」の中の、「参詣道(大峰奥駈道)」にあたる世界遺産。神武天皇東征の際、熊野に上陸後、八咫烏
の先導にて、この地で兵をやすめたとも伝えられるが、7世紀後半に、役小角が大峰山を開いてのち、
玉置山(1076m)は、大峰修験の順峰・逆峰双方向の拠点として栄えることとなる。祭神は、クニトコタチノミコト、イザナミノミコト、イザナギノミコト、アマテラスオオミカミ、カムヤマトイワレヒコノミコト。とはいえ、秘境とよばれた十津川の、しかも、平谷(十津川温泉)から山道を約3時間かけて登ったところにたたずむこの神社に、いったいどれだけの人の賑わいがあったのだろうか。今でこそ、神社付近まで車道が通るが、それでも国道168号線(折立)から山道を車走らせること、約30分。今年7月の、世界遺産という看板が掲げられるまでは、地元の人々と修験関係の信者さんたちが参拝するぐらいの、ひっそりと静まり返った聖地であった。 |
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大峰奥駈道や玉置山での参籠に、ここ玉置神社の社務所を宿坊として利用させていただけるそうだ。そうやって訪れたいのが本望だが、今回は、玉置山及び玉置神社周辺を、小春日和の中、2〜3時間の散策となった。玉置山頂をめざして、約1kmほどの奥駈道をたどると、頂上付近ではシャクナゲのトンネルがお出迎え。以前、5月中旬頃に訪れた時にはちょうど見ごろだったの記憶するが、この日のように視界が開けておれば、熊野灘を望むことができる。玉石社を経て下山すれば、重要文化財の社務所にたどり着く。拝観料が必要だが、ここでは杉の一枚戸に描かれた六十数枚の狩野派の襖絵を見せていただくことができる。作家司馬遼太郎氏は、『街道をゆく』シリーズ十津川街道編で、この玉置神社を訪れている。同行した友人の須田画伯は、この襖絵にすっかり心
を奪われたらしいが、司馬氏はあまり興味がなかったらしく、むしろ、外の桶につけられていた |
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トチの実についてページ数を割いている。
この境内には、「杉の巨樹群」や「枕状溶岩堆積地」といった奈良県指定の天然記念物もあり、見所も多い。10月24日は、秋季大祭で神輿も出てにぎわうというから、そうした日をねらって行くのもいいかもしれない。
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