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ブナ林に育つキノコ

 キノコに詳しい方に、「大台ヶ原のキノコをどんなふうに紹介すればいいですか」と尋ねたところ、「ブナ林に育つキノコが豊かな森」ではないでしょうか、と教わった。
 その代表選手として、@ツキヨタケAウスキブナノミタケBタマノウタケの3つを挙げていただいた。ツキヨタケは、ブナの枯幹に群生する木材腐朽菌で、夜になると襞がほんのりと発光することがよく知られている。また、ウスキブナノミタケは、前年に落ちたブナの堅果から発生し、傘は薄黄色〜黄色で、ブナの林床で散生する。さらに、タマノウタケは、ブナの朽ち木に散生し、関西では大台ヶ原周辺以外あまり見かけないレアなキノコのようだ。
 他には、傘の裏側の襞が針状なのが特徴のブナハリタケ。襞は疎生で、裏側から撮影すると美しいヌメリツバタケなどもブナ林のキノコである。、ブナシメジ、ナメコ、ムキタケ、サワモダシ(ナラタケ)なども、ブナに生える食用キノコである。

 同じブナ科のミズナラには、マイタケ、シイタケ、クリタケ、ヤマブシタケ、マスタケ、ヌメリスギタケなどがよく見られる。
 また、光るキノコとして知られるシイノトモシビタケは、紀伊半島南岸のスダジイの朽ち木に発生する。

ツキヨタケ    
 

@キシメジ科 A苔道(2010.8.12.)
Bブナの枯幹に群生する木材腐朽菌。夜になると襞がほんのりと発光するきのこだが、その目的はよくわかっていない。シイタケとよく似 ているが、有毒で被害報告が絶えない。

 

A上道(2018.7.22.)
B実際は、写真のような蛍光色では光っておらず、ほんのり青白い感じだが、長時間露出で撮影するとこんなに鮮やかになる。
f2.8/ISO1600/露出約60秒

   
ウスキブナノミタケ    
 

@キシメジ科 A西大台(2022.10.8.)
B前年に落ちたブナの堅果から発生する。傘は薄黄色〜黄色で、ブナの林床で散生する。

 

 

   
ブナハリタケ   タマノウタケ
 

@ハリタケ科 A西大台(2022.10.8.)
B主にブナの枯木に群生し、材の白腐れをおこす。傘の裏側の襞は針状なのが特徴。

 

@ホコリタケ科 A西大台(2022.10.8.)
Bブナの朽ち木に散生する。上写真は幼菌だが、関西では大台ヶ原周辺以外あまり見かけないレアなきのこ。

   
ヌメリツバタケ    
 

@キシメジ科 A西大台(2022.10.8.)
Bブナなど広葉樹の枯木に束生する。傘は白色、襞は疎生で、上写真のように襞側から撮影すると美しい。

 

 

   
シイノトモシビタケ    
 

@ラッシタケ科 Aすさみ町(2021.6.13.)
B1951年に東京都の八丈島で発見されのが最初で、1995年に紀伊半島(和歌山県すさみ町)でも自生していることが分かった。