■無垢の木そのものの色合いを活かしたハンドメイドどんぐり どんぐりを模した木工作品は、材を選ぶところから始めます。着色は行わず、無垢の木そのものの色合いを活かすため、どんぐりの堅果や殻斗の色に似た材を用います。 まず、サイコロ状の材を切り出し、その後は小刀でどんぐりの形を削り出していきます。形が整ってきたあとは、磨きの行程。#120から#240、さらに#400とサンドペーパーを替え、ひたすら磨き上げます。この行程に一番時間と手間がかかります。 こうして誕生したどんぐりも、実は形が均一ではなく、少々ゆがんだりしてそれぞれ個性を持ち合わせています。森で見つけた本物のどんぐりがそうであるように。
■作家は森林インストラクター 作家は、森林インストラクターの資格を併せ持ち、週末は紀伊山地を駆け巡っています。日本で採集できるどんぐり(ブナ科の堅果)は22種。こうした眼識をいかしながら削りだしたどんぐりには、おのずと種が判別できます。「クヌギ、コナラ、ミズナラ...」、それぞれのどんぐり作品に、その樹種の「名札」を付けているのは、森林インストラクターとしての気概でもあります。 手にしたどんぐりが、どんなところに育ち、どんな性格をもったものかは、作家自身のWebsite「どんぐり図鑑」をご覧ください。
■木製品は炭素貯蔵庫 森林は巨大な「炭素貯蔵庫」で、地球温暖化の一因となっている二酸化炭素濃度の上昇を抑制する働きを持っています。しかも、木材は再生可能な資源として「循環型社会」の形成にも有効です。私たちは、木製品を積極的に活用したり、一方で木を植えたりすることによって「低炭素社会」の一役を担うことができるのです。 こうした木製品に含まれる炭素はわずかなものに過ぎませんが、私たちの小さな一歩として積極的に愛用してみてはどうでしょうか。
マザー・ツリー(白神山地)