奈良公園のような低地から大台ケ原のような亜高山帯まで生息する。活発な活動は早朝でしかもすばしっこいため、なかなかお目にかかれないが、意外に身近な哺乳類でなる。私はもっぱら、積雪後の足跡との遭遇中心だが、オニグルミや松ぼっくりの食痕にも特徴がある。オニグルミの場合、アカネズミたちは殻の外から穴をあけて実を食べるのに対して、リスは殻の継ぎ目を利用してきれいに二つに割って中身を食べる。また、奈良公園などの大きな松の木の下に、松ぼっくりがエビフライ状になっていくつも落ちているのに出くわすが、これもニホンリスの仕業である。ただ、
エビフライの場合、ムササビも同じ食痕を残すので要注意。
リス亜科としては、北海道に生息するエゾリス、エゾシマリスと、本州・四国に生息するニホンリスの3種である。大きさを比較すると、エゾリス>ニホンリス(頭胴長18〜22cm)>エゾシマリスとなる。冬は耳の先に毛が生え、夏は脇腹に赤褐色をおびた毛が生える。
リスの仲間は木の洞を巣として利用するか、木の皮や小枝を使って球形の巣を作る。早朝に採餌など盛んに活動し春から初夏にかけて子育ての時期となる。
本・四・九(最近は確認されていない) |