アカネズミ
齧歯目ネズミ科
人間と同じく足の裏全体で体重を支える蹠行性の足跡で、後足のサイズ22mm以上がアカネズミ、21mm以下がヒメネズミとされている。ネズミ類は跳躍歩行だが、真ん中に尾っぽを引きずった跡が残る。
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Cuddeback社製トレイルカメラ“Attack”というのを手に入れ、裏山の哺乳類たちの生態を観察していると、秋深まる深夜、驚くべき画像が保存されていた。上画像がそれだが、なんとイタチが大きなネズミをくわえている。実は、その一月前にも、地面を走るネズミが写されていた。裏山には、ネズミが生息しているらしく、それを獲物にするイタチもいる。トレイルカメラを通して、見えてきたことだった。 では、そのネズミの正体はと興味を引くわけだが、フィールドで生息するネズミの場合、主な行動範囲を次のように大別でき、同定の際のポイントとなる。 ○カヤネズミ:草原やササ原 ○ヒメネズミ:森林内の地上や樹上 ○アカネズミ:林縁部や林内の地上や落ち葉などの隙間 ○スミスネズミ:岩礫の間 ○ハタネズミ:地中に掘ったトンネル 撮影場所は、標高200m程度の雑木林で、住宅地が造成されため池はあるが近くに田畑ない。さらに、円内の写真の場合、ストロボに照らされて、大きな目が光っている。跳ね上がった尾は、尾率100はこえていないだろう。ということで、アカネズミと判断した。人間が寝静まった深夜、裏山では哺乳類たちが目覚めている。
頭胴部の長さが12cm程度、体重40g位で、後足のサイズが22mm以上となる。ヒメネズミとよく比較されるが、ヒメネズミの方はひとまわり小さくて尾がとても長く、アカネズミの場合、尾率が100を超えることはない。また、ヒメネズミより赤茶っぽい色をしていて、目は大きく飛び出している。 樹上生活の得意なヒメネズミに対して、大柄なアカネズミは地面で活動することが多い。落ち葉などを集めて地中や倒木の樹穴などに巣を作り、種子・昆虫を中心に、植物の根茎や葉なども食べる雑食性で、ドングリなどの種子を地中に貯蔵する習性を持つ。 北・本・四・九