Life in the wood
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  マウンテン・パーカ  



さて、マウンテン・パーカといえば「シェラデザインズ」。
コットン60%ナイロン40%の「60対40の黄金比」で編まれた60/40Basic Clothのパーカで、1965年創業以来、今なおモデルチェンジをせずに世界中で愛用されており、シェラデザインズを代表する伝統的な製品 である。
(1980年代初め)大学生だった私は、当初、タラス・ブルバ(アシックス)製のものを購入したが、どうしてもシェラデザインズのが欲しくて、アメリカ村 中の店を探し回り、確か4万円近くはたいて手に入れたと思う。
ダブルニードルにラップフェルドシーム、2重針4層縫いという長期使用に充分耐えられる縫製技術。
さらに、大型ポケットが7つも付いて、合計容量はデイパックに匹敵する。
山歩きはもちろんキャンパスでも、真っ赤なケルティのデイパックと共に身につけ、闊歩したものだ。
20数年たって今なお健在だが、学生時代にはジャストフィットだったUSAサイズ「L」が、すっかり窮屈になってしまい、 タンスの肥やしと化す危機に迫っている。

そんな折、あるアウトドア雑誌の広告に目がとまった。
ノースフェイスのマウンテン・ジャケット。
伝統的なツートンカラーの切り返しが粋で、しばらく目が釘付けとなったが、その価格にも目を丸くする。
シェラデザインズのものは、前述した60/40という一昔前の繊維だが、ノースフェイスのこのモデルはゴアテックス製。
しかも2007年モデルは、新たにゴアテックスRファブリクスを採用し、ゴアテックス特有のゴアゴア感が解消され、かつ高い耐久性を実現したものだ。
私が学生の頃は、ノースフェイスといえば山男にしか認知されていなかったが、今やすっかり若者のスノーボードウェアやタウン着として定着し ている。
しかも、そのデザインや価格を見るに、他のアウトドアメーカーと一線を画した一流ブランド化にも驚くばかりである。

私自身、ノースフェイスの価格に手が出ず、もっぱらL.L.Beanやモンベルのものを愛用している。
ただ、身の丈6尺の私にとって、日本サイズの「XL」はアウターシェルの場合窮屈で、「XXL」が欲しい。
しかし、モンベルにはそのサイズの製品が少ないのが難点である。
したがってここ十数年、おのずとL.L.Bean製のUSAサイズ「XL」のものが私のまわりに増えてきたのだが、最近ではL.L.Bean特有のアースカラーやその保守的なデザインから脱却したい欲望が、大いに 増している。

そして先日、私はとうとう、清水の舞台から飛び降りた。
生活を両肩に担う今の私にとって、1万円札4枚の重みはむしろ二十数年前の4万円よりも重いかもしれない。
しかし、あのツートンカラーの聖域に、もはや足を踏み入れてしまったのだ。(汗)