Life in the wood
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  ニホンミツバチの蜜蝋をつくる

西洋ミツバチに比べて鮮やかなオレンジ色の「ニホンミツバチの蜜蝋」

   

【作業1】
採蜜した後の副産物として、「蜜蝋」というものを採取することができる。
蜜蝋(みつろう/Beeswax)とは、巣を作る際に働きバチによって腹部の蝋腺から分泌されたもので、主成分はパルミチン酸ミリシル。
採蜜した後も巣を捨てずに、加熱して蝋成分を抽出するわけだ。

<Point>
○採蜜は7月だったが、その後、冷凍庫に半年ほど保管してあったものを使用した。

   

【作業2】
蜜蝋作りの理屈は簡単だ。
巣を水と一緒に加熱すると蝋成分が液体となって熱湯に溶け出す。
そこで、文字通り抜け殻となった巣や不純物と分別するために台所用の水きりネットを用いて越しとる。
越しとった液体は、冷却すると水と蝋成分に分かれ、蝋は固まる。

<Point>
○蝋成分が飛び散ると厄介なので、屋外でやることが望ましい。

   

【作業3】
水は鍋の半分ぐらい入れて沸かし、噴きこぼれぬ程度に巣を入れる。
今回、鍋が小さかったので、何度かに分けた。

<Point>
○使用した鍋には蝋がこびりつき、後の手入れに手間取るため、今回は100円ショップで購入したアルミ製の鍋を用い、それ専用とした。鍋は、加熱用と越し取り用と2つ必要となる。
○水きりネットは、左写真のものでは目が粗すぎた。

   

【作業4】
写真は、越し取った後、蝋成分と水が分離して黄色の蝋が固まったもの。蝋は浮き、水は鍋の底に溜まる。
茶色の斑模様の部分は細かなゴミがこびりついているもので、これを取り除くために、もう一度この蝋を水と共に溶かし、さらに目の細かいネットで越し直す作業をくり返すこととなった。

<Point>
○ストッキングぐらいの目の細かさのネットを用いた方がよい。

 

さて、今回精製した蜜蝋の目的だが、私の場合、ニホンミツバチの待ち受け箱を作る際に使おうと思っている。
待ち受け箱の内側に塗っておくことによって、ニホンミツバチを捕まえやすくなるというわけだ。
実際、屋外で蜜蝋を作っていると、その臭い(?)に誘われてか真冬というのに1匹のニホンミツバチが飛来してきた。
ただこの蜜蝋からは、ろうそくやワックスも簡単に作ることができると聞くから、やらずにはおれないだろう。
今回はひとまずこの辺で終わるとして、事後談をお楽しみに。