Life in the wood
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  鮎だしのそうめんつゆ  
 

 この夏、熊野川でサビキを使った鮎釣りを、地元の友人からご指南していただいた。鮎釣りといえば、友釣りやころがし釣り(だんびき)が一般的だが、ところ代われば釣り方も多種多様。3本針の下の籠には、パン粉と挽いた煮干の混ぜたものを入れ、浮きを付けて流す。半日で大小の鮎数十匹釣り上げた。

 大きいのは塩焼き。やっぱりこれに勝るものはない。「小さいのは唐揚げがうまい」との薦めで腹を取って揚げ、半分は甘露煮にした。さらに、十数センチのものは竹串に刺して素焼きを。保存がきくので、後日火であぶりながら食べるのも美味しかろうととっておいたが、そうめんが食べたくなった。

 小さい頃、川でギンギ(ギギ)を釣り上げると、「そうめんのだしに美味しいぞ」と冷やかされたことを思い出す。最近では、小瓶入りの即席そうめんだしがたくさん販売されているが、かつては、それぞれの家庭でそうめんだしを作ったものだ。私は干し海老のそうめんだしが大好物で、実際、ギンギのそうめんだしを食べたことはない。しかし、川魚からそうめんだしをとる習慣は、私の親の世代では一般的だったようだ。そこで、今回は先の鮎を使ってそうめんだしを作ることにした。

●材 料 天然水、昆布、アユ、濃口醤油、みりん、砂糖
  (※今回、水800ccに対して、十数センチの程度の素焼きしたアユを5匹使用。)
   
●作り方 @腹をとり竹串に刺した小アユを、炭火で数時間かけてゆっくり水分を飛ばし、あら熱をとっておく。
  A鍋に水と素焼きしたアユ、昆布を入れ10時間おく。
  B昆布を取り出し、鍋を強火にかけ、アクを丁寧に取り除いて火を止める。
  Cペーパーでこしただし汁に、濃口醤油、砂糖、みりんを加え、ひと煮立ちさせる。
  Dだしをとったあとのアユは、食べる前に、もう一度そうめんだしの中に入れる。

 販売されている瓶入りそうめんだしの中にも結構美味しいものがって、それらの味覚に慣らされてしまった私の舌。しかし、今回鮎だしのつゆを賞味してみて、私のそれまでの舌が化学調味料の呪文にかかっていたことが判明した。素朴な川魚の旨みが、そうめんにピッタリとはまる。一昔前の日本の味覚が、今、蘇った!

熊野川のアユ 素焼きをしたアユ まず、昆布と一緒に水につけておく