子どもの頃、川でギンギ(ギギ)を釣り上げると、「素麺のだしに美味しいぞ」とまわりの大人から冷やかされたことを思い出す。最近では、
市販の素麺つゆを利用する人も多いだろうが、かつては、それぞれの家庭で素麺つゆを作った。私の母は、干し海老でだしを取った素麺つゆが十八番で、
夏休みの昼食の定番だった。
さて、今回は、ギンギではなく鮎
からだしをとってみようと思いたった。鮎は、はらわたを取って竹串に刺し、炭火で素焼きにする。この場合、鮎を火に近づけすぎないこと。私の場合、5時間以上かけてゆっくり水分を飛ばすことで、保存のきく堅い干物のような鮎
に変身させる。南紀の方へ行くと「炙り鮎」と称してお土産にもなっているそれだ。あとは、冷蔵庫で保存し、食べる前にもう一度オーブントースターなどで軽く焼
いて醤油を落とすととても美味しい。
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