Life in the wood
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  鮎だしのそうめんつゆ  

炙り鮎

 

 子どもの頃、川でギンギ(ギギ)を釣り上げると、「素麺のだしに美味しいぞ」とまわりの大人から冷やかされたことを思い出す。最近では、 市販の素麺つゆを利用する人も多いだろうが、かつては、それぞれの家庭で素麺つゆを作った。私の母は、干し海老でだしを取った素麺つゆが十八番で、 夏休みの昼食の定番だった。
 さて、今回は、ギンギではなく鮎 からだしをとってみようと思いたった。鮎は、はらわたを取って竹串に刺し、炭火で素焼きにする。この場合、鮎を火に近づけすぎないこと。私の場合、5時間以上かけてゆっくり水分を飛ばすことで、保存のきく堅い干物のような鮎 に変身させる。南紀の方へ行くと「炙り鮎」と称してお土産にもなっているそれだ。あとは、冷蔵庫で保存し、食べる前にもう一度オーブントースターなどで軽く焼 いて醤油を落とすととても美味しい。

●材 料 水500ml、干し椎茸10g、炙り鮎10g、濃口醤油100ml、みりん100ml、 日本酒50ml
   
●作り方 @鍋に水・干し椎茸・炙り鮎を入れ一晩おく。
  A上記の鍋に醤油・みりん・日本酒を入れ、鍋をひと煮立ちさせ、アクを丁寧に取り除いて火を止める。
  Bあら熱がとれた後、冷蔵庫で冷やす。
  Cだしをとったあとの椎茸や鮎は、好みのサイズで素麺と共にいただく。

  市販の素麺つゆも、最近はとても美味しくなってきたが、 上記の方法で作った素麺つゆにはかなわない。炙り鮎の代わりに干しエビを使ってもいいし、干し椎茸だけでも十分に絶品だ。 日本酒を用いるのもポイントで、料理酒などで代用しないこと。今回、鮎だしをとることで、随分まろやかな味になったような気がする。一昔前の 贅沢な日本の味覚が蘇った。

 
作り方A   作り方C