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書 名 |
くりんとのレビュー |
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西行
白洲正子・著/新潮文庫 |
出家後の佐藤義清(のりきよ)は「西行」と名乗って、吉野山、高野山、伊勢、みちのくなど、生涯旅の生活を続ける。なかでも、大峰奥駈行を二度にわたって歩き歌を残しているのは興味深い。こんな先人がいたことを学者や歌人のものだけにしておくのは惜しい。 |
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西行全歌集
星野道夫・著/文春文庫 |
平安時代末期の歌人西行は、華やかな都の生活を放り投げ、吉野や高野山、伊勢など、当時の辺境にある精神世界を好んで訪れた。山家集、聞書集など、現在知られている西行の和歌のすべて約2300首を集成。 |
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かわいい自分には旅をさせよ
浅田次郎・著/文春文庫 |
「より深い日本を求めて旅に出たい。いにしえの旅人と刻を同じうし、溜息を分かち合えるような、深い美しい日本にめぐりあいたい。」この一文で、このエッセイの虜となりました。 |
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吉野紀行
前登志夫・著/角川選書社 |
奈良県下市町出身で「現代の西行」とも呼ばれた歌人。その著者が、吉野に暮らし吉野の山を歩きながら自然や歴史を紡ぎ、独自の感性と言葉で吉野の襞々を映し出す紀行文。。 |
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旅をする木
星野道夫・著/文春文庫 |
動物写真家星野道夫のエッセイ集。神田の古本屋街で見つけた1冊のアラスカ写真集との出会いから、彼の羅針盤はアラスカを指す。植村直己氏を髣髴とさせる若きエネルギ
ー。そして、そのアラスカの大地やイヌイットの文化から、生きるということへの単純明快な哲学を見出す。 |
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マザーツリー
−母なる樹の物語−
C・Wニコル・著/静山社 |
戦国時代から平成に至るまでの権轟村という山村の変遷を、樹齢500年以上のミズナラの古木が見つめてきた森と人との物語。自然に向き合う人の在り方が、時代ごとによくわかる。この本によって、「マザーツリー」の意味が再認識できた。 |
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漂泊の牙
熊谷達也・著/集英社文庫 |
東北の山奥で起きた主婦惨殺事件をめぐって、ニホンオオカミの存在の有無が推理されていく冒険小説。愛妻を殺された動物学者・城島の必死の追跡に、オオカミにまつわる生態学が克明に描写され、引き込まれていく。はたしてニホンオオカミは生き残っていたのか…。 |
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まほろばの疾風(かぜ)
熊谷達也・著/集英社文庫 |
時は八世紀末。東北には、森の恵みを受け大自然と共生しながら暮らす蝦夷がいた。しかし、その平和も大和朝廷の侵攻によって破られ、望まぬ戦いが始まる。森との共生から農耕へと移り変わっていく、この頃の日本を描写した数少ない一冊。 |
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森の生活−ウォールデン−
(上・下
)
ソーロー・著/岩波文庫 |
著者は1845年7月4日に、自分の住んでいたコンコードの町から南方1マイル半のウォールデン池のほとりの森の中の、自分の手で建てた小屋に移り、2年と2ヶ月間一人暮らしをした。
アメリカ版『晴耕雨読』を試みたナチュラリストのバイブル的古典。 |
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青春を山に賭けて
植村直己・著/文春文庫 |
日本が誇る冒険家植村直己氏の紀行文で、この一冊は五大陸の最高峰を目指し始めた頃の若き植村氏を知ることができ、苦悩の中にも揚々たる意気が感じとれる。他に、『北極点グリーンランド単独行』『北極園一万二千キロ』もお薦め。 |
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大台ケ原開山記
−古川嵩伝記−
鈴木林・著/近代文芸社 |
神習教大台教会の創始者古川嵩。明治24年に初めて大台ケ原に入山し、明治32年に教会の完成を見るが、その行動力やそれに終わらず、気象観測、神武天皇銅像の建立や電話線の架設にもその情熱を注ぐ。 |
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木を植えた男
ジャン・ジオノ ・著,寺岡襄・訳
フレデリック・バック (イラスト)
あすなろ書房 |
フランスの山岳地帯で、たった一人、何十年もの間黙々とどんぐりを植え続け、森を蘇らせた男。環境破壊を憂う前に、一人でもできることがあるんだと、勇気と希望と元気が湧いてくる一冊。 |
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どんぐりかいぎ
こうやすすむ・文 ,片山健・絵
福音館書 |
どんぐりの実りには、年によって豊凶があるのはよく知られている。実は、どんぐりたちにとってしたたかな生殖戦略だったという興味深くショッキングな話が、す〜と自然に受け入れられる必読の1冊。 |
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イヌビワコバチのやくそく
浜島繁隆,鈴木達夫・共著
大片忠明・絵/文研出版 |
イヌビワとイヌビワコバチ
の関係を理解するのは、なかなかややこしい。しかし、そこには生き物の共生の摩訶不思議が凝縮されており、神様のいたずらにほくそ笑んでしまうお話です。 |
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