『Last
Song』以来、7年ぶりのレコーディングを終えて発売される『いつか、その日が来る日まで...』は、矢沢自身の弁によると、最後のアルバムになるということである。その意気込みか、2019.9.4.の発売日にあわせて、NHKをはじめテレビ、ラジオ等への出演も続いた。私は、NHKの番組『ドキュメント矢沢永吉
70歳魂のレコーディング』(2019.8.24.NHK総合放送)を視聴しただけだが、最新アルバムについて、また、矢沢の人生観など耳に残ったことを書き留めてみた。ただ、こんな風なことを言ったという大意なので、一言一句正確でないことをご容赦いただきたい。
【最新アルバムについて】
○ ロサンゼルスのサンセット・サウンドで1週間のレコーディング。ここに来るときはいつも一人。片言の英語だが、直で話をすると魂が伝わる。
○ ロサンゼルに来るのは、どうしても欲しい音があり、彼らにしか出せないロックン・ロールのグルーブがある。
○ アルバム・タイトルの「その日」とは、「もういいか、もういいね」とマイクを置くとき。
○ 洋楽にしない、難しくしない、偉そうな音楽にしない。何もかも全部噛み砕いてJapanの、Japaneseというのを大事にしている。
○ 「これが最後だ」という意気込みは嘘ではないけれど、「もし、まだ、体が動くようなら...」というのがアーティストの性。(※2019.9.8.「generock
by yoko yazawa」NACK5 79.5FMより)
【音楽・人生について】
○ 中3・高1でビートルズに出会い、板金工をやめてロックシンガーになろうと思った。
○ ロサンゼルに日参するようになったけど、「洋楽にかぶれて、ショックを受けて、ただここに居るだけ」と、ある時から自問自答するようになった。でも、入口は間違っていない。これから、オレ的、オレらしく。
○ 歳をとることはそんない悪いことじゃないよね。
○ あと何年歌えるのかな。だから、船は卒業してもいいなあ。全身全霊ステージにかける。
○ 残りの人生、ロマンティストでいたいね。
○ 作詞は才能がないが、メロディーはどんどん浮かんでくる。ICレコーダーで残しておき、それがどんどん貯まってくると、形(アルバム)にしようかなという欲求が。(※2019.9.8.「generock
by yoko yazawa」NACK5 79.5FMより)
私自身、これまで1枚も矢沢永吉のアルバムをもっていなかったが、何年か前『成りあがり』を読んですごく感銘を受けた。そのことが、今回のドキュメンタリー番組を観てみようという布石になっていたと思う。そして、この番組で語る矢沢自身の音楽に対する姿勢や人生観に、70歳としてお手本となる後ろ姿を見つけた。私は、矢沢よりちょうど一回り下の年齢にあたるが、これまで高倉健や忌野清志郎、車寅次郎(渥美清)といったヒーローの後ろ姿に憧れてきたが、いずれの方々ももはやこの世の人ではない。これからは、矢沢永吉のダンディズムに弟子入りしよう。
この機会に、『いつか、その日が来る日まで...』と『Last
Song』の2枚のCDを購入した。とりわけニューアルバムに収められた曲の数々は、鼻歌となって離れない。
9/4発売 矢沢永吉 ニューアルバム『いつか、その日が来る日まで...』
1. 今を生きて
2. 魅せてくれ
3. 愛しているなら
4. ヨコハマUo・Uo・Uo
5. 海にかかる橋
6. ラヴ・イン・ユー
7. SEASIDE ROAD
8. 稲妻
9. デジャブのように
10. いつか、その日が来る日まで... |