“ロック・バンド”にとって“PA”は、大切なパートナー。
PAの存在や、そのオペレーターの腕によって、ライブが生かされる。
(もちろんその前に、バンドに実力が伴わなければならないが、その実力不足も、時にはカバーしてくれるくらいの力を持っているということ。)
私たちは、よく<PA>というけれど、調べてみれば、<Public Address System>。
つまり、音を拡声する設備のことで、“PA”を担当してくれる方を指すなら、 オペレーター <Sound Operator>が適当なのかも。
ただ、正直言って、オペレーターとの付き合い方やそのコミュニケーションの取り方が、私自身、未だよくわかっていない。
一座のライブのほとんどの場合、主催者が予算を組み契約したPA及びオペレーターにお世話になる。
その際、主催者側とそのPA会社との契約の詳細がよくわからないから、サウンド細部のやり取りになると、私たちのオペレーターに対する「恐縮」が勝ってしまう。
したがって、時間を気にしながら、「そんなもんで結構です」と終わってしまう。
さらに、自分たちの音作りや構成が、ライブ直前まで定まっていない上に、当日のリハーサルを、「最後の練習の場」と勘違いしてきたことも、私たちの反省である。
さて、今回のライブ(アイワナドゥ岩戸2004)では、思い切って、信頼できるPA及びオペレーターの同行を、自分たちでお願いした。
そして、先に話したような「オペレーターとのコミュニケーションの取り方」を、学ばせていただいた。
そこで、何点か得たこと。
○ ミュージシャンは、ステージ上を支配するサウンドのチェックに重点を置き、自分たちが気持ちよく演奏できる環境を整えること。逆に、客席側に聞こえるサウンドをコントロールすることはきっぱりあきらめ、それこそオペレーターの仕事と任せきること。
○ 小さな屋内で演奏する場合、ドラムを用いるか否か、私たちの常に議論の尽きないところだが、ドラムの音量をコントロールすることはあきらめ、ドラムの生音を基準に、他の楽器の音量を調整すること。その上で、その空間にドラムがふさわしいかどうか考えてみる。その際、ヴォーカル用のマイクが、ドラムやパーカッションの音をよく拾うので、それらの設置場所に固定観念を取り払うことも肝要。
○ ある意味で、オペレーターは、何番目かのミュージシャン(バンドのメンバー)であり、一番の聴衆である。オペレーターものってくると、ライブの終盤、自然と指先のヴォリューム・コントローラーを上げているらしい。誤解を恐れずに言うと、オペレーターには礼儀をもって接し、かつ、のってもらいましょう。
ロックバンドは、もはや、一人(自分たちだけ)では生きていけない、弱くて金と人のかかる集団なのである。
by くりんと
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