シリブカガシ (尻深樫)
ブナ科マテバシイ属
知足院(2007/NOV)
大阪市大附属植物園(2010/NOV)
×1.6 知足院(2011/NOV)
知足院(2007/SEP)
2年成で、殻斗は鱗状で浅い。どんぐりのへそのところが少しへこんでいるためこの名がある。堅果黒いが、白いろう状の物質に覆われていて、マテバシイの仲間であることがわかる。 マテバシイ同様、生食できる。 常緑高木。葉は全縁で、やはりマテバシイのものとよく似ている。
マテバシイ属の樹木は暖帯性であり、シリブカガシは近畿地方以西の本州、四国、九州、沖縄の比較的海岸に近い標高500m以下の地域に分布し、京都府の保津峡が分布北限である。また、中国南部・台湾にも分布する。奈良県内では、知足院(奈良市)周辺に唯一ほぼ純林が見られる。どんぐりが実る頃、この林の中に入れば、ボタッボタッとどんぐりの落ちる大きな音に一層静けさを感じさせてくれる。 シリブカガシも虫媒花であるが、ブナ科の樹木のほとんどが春〜初夏にかけて花を咲かせるのに対し、こちらは9月頃の秋に花を咲かせる。 本(近畿以西)・四・九・沖