カシワ (柏)
ブナ科コナラ属
春日大社(2007/NOV)
鶴見緑地公園(2010/NOV)
鶴見緑地公園(2017/NOV)
1年成。特徴ある棘状の殻斗は、クヌギとアベマキとこのカシワの3種。なかでもカシワの棘は柔らかいので容易に見分けがつく。 また、堅果の柱頭は細くて長 く、識別のポイントとなる。
落葉高木。紅葉の後も、次の新芽が出るまで葉をつけたままで強風にも強く、北海道などでは防風林として植えられている。葉は柏餅に用いられるので、だれもがなじみのある波状をしている。古くは食物を盛る炊葉として使われていたようだ。
明日香(2005/OCT)
神苑(2009/NOV)
北海道から九州まで広く分布するが、元来、沿海地を好む植生なのか、奈良県内での自生地はあまり知られていない。中国地方では山地から里まで、比較的身近な樹木なようだ。また、石狩平野(北海道)にはカシワによる天然の海岸林がある。 県内で稀に見られるものは植栽されたものが多いと思われるが、私がやっと見つけたのは春日大社の神苑内だった。ただ、ここのカシワには、堅果部分がカシワ、殻斗部分はナラガシワっぽいどんぐりを実らせる木もあり(※上画像)、異種交配しているのかもしれない。 万葉集にも歌われている植物ゆえ、飛鳥の奈良県立万葉文化館にも植えられたのだが、実際はナラガシワが鎮座していた。現在は、コルク状の樹皮が取り巻く本物に取り替えられているが、それくらい県内では混同されている。 北・本・四・九