わが家の裏手に、8年前に植えたクヌギの木がある。私自身、カブトムシやクワガタを呼び寄せるためにクヌギの苗木を植えたのだが、その木が成長するにつれて、葉っぱを食べる虫が集まるようになった。すると、今度はその虫を食べる野鳥が集まるようになった。木があるところに生き物が集うという樹上のビオトープである。
そのクヌギの木に、巣箱を取り付ける。調べてみると、野鳥が出入りするための穴の直径が肝心で、シジュウカラの場合、28〜29mmぐらいがいいらしい。設置後のある日、、この巣箱にモズがやってきて卵か雛を狙っていたが、28mmの直径に阻まれ退散した。シジュウカラがスムーズに出入りでき、かつ天敵となる他の野鳥が侵入してこれない大きさが28〜29mmなのだと納得した。計3ヶ所に同様の巣箱を設置したが、今のところ、同じ1ヶ所の巣箱のみが営巣に使われている。出入り口の直径以外に、巣箱の向き(ほぼ南向き)や地上からの高さ(3m前後)はほぼ同じ条件だが、南に開けているとか周辺の止まり木の位置とか、いくつかのポイントがあるようだ。
3月下旬頃から、オス・メスの2羽が仲良く行動する姿を見かける。巣材はコケが多く使われており、2羽で仲良く採取に出かける。私の隣の家の庭のコケが彼らの巣材とつきとめた。しかし、コケを採取して巣に運ぶのはいつもメスで、オスはそれを見守っているだけ。ただ、メスが巣材を採取したり、巣箱に入ってベッドメイキングを行っている間、オスは近くの枝に留まったままである。ただ、いくつかの鳴き声を使い分けては、侵入者や敵の飛来を警戒し知らせているかのようにみえた。
いつの頃からか、今度は餌を持ち込むようになる。どうやら、抱卵を経て雛がかえったらしい。青虫が多いが、時にはクモも混じる。GW期間中には、ひと回り小さなシジュウカラがさえずるようになった。雄雌の識別には、腹に見られる黒いネクタイ模様が目安となる。雄は太く立派で、雌のものは胸から尻にかけて細い。「ツーピー、ツーピー」「ツツピー、ツツピー」とさえずるが、私の製作したバードコールはとりわけシジュウカラのさえずりが得意である。私を仲間と認識するのか、それとも縄張りへの侵入者と見なすのか、雛の成長が落ち着いたら、コミュニケーションにトライしてみよう。
オス・メスは、腹に見られる黒のネクタイ模様で識別し、オスは太く立派で、メスのものは胸から尻にかけて細い。
全国に留鳥としてすむ。 |