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野鳥一期一会

 
         
         

オシャレな装いのカワラヒワ 

スズメ目アトリ科

馬見丘陵公園(2009.3.15.)

 馬見丘陵公園は、休日ともなるとバード・ウォッチャーが多い。とりわけ、リタイアしたと思われる男性陣が、デジタル一眼レフカメラに望遠レンズを装備して、撮影ポイントでそれぞれのねらいを定めている。その場合のレンズは、スポーツカメラマンが使っているような高価な代物も見られ、これまでの戦績画像を見せていただくと、その表情のすばらしさに驚くばかりである。私の場合、デジスコ撮影が多く、まずフィールド・スコープでねらいを定めてピントを合わし、それからデジカメをセットして撮影する。したがって、なかなか捕獲率が低い。
 我が家から車で40分ほどの馬見丘陵公園まで、わざわざ野鳥観察に出かけるのは、こうしたバードウォッチャーたちから、観察のポイントを有形無形に教わることができるからである。さらに、ここ奈良盆地内では、私の住む金剛山麓とは異なった野鳥が見られるのも楽しみである。
 この日、大きな収穫もなく、デジスコ機材を担いで歩いていると前方のハナミズキの樹冠に見たこともない華やかな野鳥が留まり、種子をつついている。嘴は太く淡いピンク色で、頭から腹にかけては黄緑色。こんなオシャレな鳥は、飼い鳥が逃げたものに違いないと思ったが、デジスコで捕らえ帰宅した後、アトリ科のカワラヒワだとわかった。決して珍しい鳥ではないが、私の居住地付近では出会ってこなかった。いや、遭遇しているのかもしれないが、鮮やかな黄緑色の鳥が私の目に飛び込んできたのは、この日が初めてであった。
 このようにして記憶に焼き付くと、それ以後、意外にも、自宅付近で見かけることができるようになるのだが、そんなきっかけをつくってくれるところが、ここ馬見丘陵公園である。

 体はオリーブ褐色だが、雄の頭部は黄緑色が強い。
 九州以北の低地から低山で繁殖し、市街地付近の雑木林や公園にも普通にいる。