私がよく訪れる馬見丘陵公園で、紅梅がその香を漂わせている頃、樹下の芝地では数羽のアオジが地面をついばんでいる。1年前に購入したデジカメは、1秒間に最大30コマの連写が可能である。これをフィールド・スコープに組み合わせれば、アオジの嘴の中まで捕らえることができるのだが、この日は、穂の付いた小さな種のようなものをくわえていた。肉眼では雌雄の区別はつかないが、あとでデジカメの写真を整理していると、淡い黄色の羽毛をまとった多数のアオジ以外に、トラの毛皮のようなひときわ濃い黄色のものもいる。一見トラツグミを捕らえたかと興奮さながら、『フィールドガイド日本の野鳥』と照らし合わせてみると、メスのアオジであることがわかった。
人影が近づくと紅梅の枝に飛び退き、危険が通り過ぎるのをじっと待っている。この鳥は地面の上が似合い、小枝につかまっている時はどうも落ち着きがないように見えるのは、私の錯覚だろうか。
雄の頭上と頬は緑灰色で嘴の基部は黒味が強いのに対して、雌の頭上と頬は灰緑色。
本州中部以北で繁殖し、秋冬には暖地へ移動して、地上で餌をとる。 |