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野鳥一期一会

 
         
         

オシドリ夫婦とはキジバトのことだ 

ハト目ハト科

@♂ ♀A金剛山麓(2008.3.29.)

 ふと窓の外に目をやれば、雄の「ゼゼッポー、ゼゼッポー」という鳴き声がイロハモミジの木や電線から聞こえてくる。餌が少なくなる冬場、竹を割って作ったバードフィーダーに雑穀類を入れておくと、やがて「ゼゼッポー」がやって来た。カラ類に比べてずいぶん大きいので、デジカメのズームで十分撮影できる。撮影後の画像を見れば、雨覆の赤褐色と灰色の羽縁の鮮やかさに気がつき、美しい野鳥だったことを再認識できる。名前の由来だが、キジの雌に体色が似ていることがそれとされている。
 キジバトは子育ての際、オスもメスもそ嚢で高タンパク・高脂肪のミルク(ビジョンミルク)をつくり、口から吐き出してヒナに与えると言う。こうした習性から、繁殖期はほぼ周年で、番(つがい)で見られることが多い。樹上に小枝等を組み合わせた皿状の巣を作るが、この古巣を持ち帰ろうと試みたものの、小枝を順に乗せていっただけの簡単な構造なので、完成形をうまく保存できなかった。
 「ヤマバト」という別名があるように、本来は山地に生息し、都市部ではほとんど見られなかったが、近年は住宅地でも見られる。ただ、ドバトのように神社の境内で群れを作って餌を漁るような習性はなく、少なくとも私の周辺では棲み分けているように思う。ドバトの群れは迷惑だが、キジバトの番とは共生できるような気がした。

 上写真の2羽も、この撮影の前に交尾をしていた。黄昏ているのが雄で、毛づくろいをしているのが雌のように思えたのだが、人間サイドの偏見だろうか。外見上、雄雌の区別は見つけにくい。
 全国的に留鳥として分布。