Nature Guide
                         くりんとの自然観察ガイド

           
   
 スズラン自生南限地

◆向渕(むこうじ)スズラン群落 −室生村−
室生村向渕のスズランの花が見ごろであると、A新聞の奈良版で報じられ(5月中旬)、10日程後に訪れる機会を得た。
県道28号線沿いを走り、「向渕スズラン」の看板をたよりに西へおれ、静かな農村の合間をぬけていくと、右の立て札が見つかる。
平日だったせいか、私以外の車も見当たらず、駐車場から100mほど山道を登ったところに、群落地を見つけることができた。
幸い、見ごろを逸していなかった。
スズランって、条件がよければこんな風に群落するんだなあと、しばし感動。
その群落は数ヶ所に見られ、簡単なフェンスで部分的に囲われているが、人の立ち入りを阻むほどのものでもない。
国指定の天然記念物という危惧さゆえ、さすがに採取して帰る者は少ない


この立札より、数百メートル南に上る

だろうが、よく見れば、群落地の中にもたくさんの足跡が。
さらに、あちこちでスズランが踏み倒されている。
どうもこの週末に、カメラを持った人たちがたくさん訪れたと想像する。
私もデジカメと三脚を引っさげて来た一人だが、「植物に手は触れず、写真を持ち帰るだけ」とはいえ、こういう方々の中にも「花を見て足元を見ない」迷惑な人がいるんだなあと、わが身もふり返る。
(大峰のオオヤマレンゲ自生地もこうだったなあ。)
今までそうだったし、今後も仰々しいフェンスはない方がいいのだろうけど、ここはやっぱり、もう少し整備の方法を見直した方がいいのではと、室生村教育委員会に物申します!

◆吐山(はやま)スズラン群落 −都祁村−

先の向渕群落地から南西に3kmのところに、今度は、吐山スズラン群落地がある。
国道369号線を南下し、ここでも立て看板を目印に西へ1km弱入っていくと、容易にたどり着くことができるが、ここは駐車スペースがないので、休日は要注意。
こちらは、幾分急斜面に群落していて観察しやすく、また、管理している自治体が先と異なるせいか、いわゆる“やりすぎない整備”が行き届いているように思えた。

ところで、スズランというのは、写真に収めにくい山野草だ。
まず、背が低いため、持ち込んだ三脚は使えなかった。(地上10cmほどに撮影ポイントゆえ、ミニ三脚がいいのかも。)
また、白い花というのはデジカメには手ごわく、焦点があいにくい上に輪郭がはっきりしない。
スズランの場合、さらに、1つの花房が5oほどと、条件が悪い。
デジカメにも、マニュアルでのホワイトバランスやフォーカス設定、露出補正等がよういされているので、今一度、マニュアル本を読んでみようっと!

【スズラン自生地について】
スズランは、ユリ科の多年生草木で、本来、本州中北部の高山や北海道に多く自生する。
西日本でも、一部、関西・九州などの山地で見られることがある。
この地は、海抜500〜600mに位置し、夏季でも冷涼である。
周囲のクヌギ、コナラなどの落葉広葉樹が日中の直射林が林床に届くのを適度にさえぎる役割を果たしている。
これらの条件がスズランの育成に適しており、この地に群落ができたと考えられる。
開花は5月初旬から中旬で、大きな緑色の葉に囲まれ、白く可憐な花を咲かせる。
スズランの育成には、下草刈り、上層木の枝降ろし等が必要であり、日頃から適切な管理を行い保存に努めている。
この地は、スズラン自生南限地帯ににおける群落の代表的なものとして学術上貴重である。
昭和5年11月19日国の天然記念物に指定。
                          
(都祁村教育委員会・文化庁建立の案内板による)


群落の真中に看板というのは、どうも?
 

 

 

 

 
   

Copyright (C) Yoshino-Oomine Field Note