Field Guide
                         くりんとのフィールドノート

           
   
 高野辻へスノーシュー・トレッキング
 

 「スノー・シュー」というのをご存知だろうか。日本では古くから、深い雪の上を歩くのに「輪かんじき(わかん)」というのがあるが、それの西洋版。輪かんじきに比べて、装着が簡単で浮力も高く、デザインもおしゃれである。しかも、スキーのようなスキルは必要でなく、装着した1分以内には自分の足となって くれる。このスノー・シューを使って雪深い野山を歩くことをスノーシュー・トレッキングあるいはスノー・シューイングと言い、近年、日本でも広がりつつある。
 中部以北の豪雪地帯ならスノーシュー・トレッキングのフィールドには事欠かないだろう。しかし、奈良県のような温暖な地域では、そうそう雪が積もるわけでわない。また、スノーシューは狭い急峻な登山道を登るのには向いていないため、これを使って従来の冬山登山というわけにもいかない。したがって、県内では和佐又 や洞川のスキー場及びその周辺がお薦めスポットとなる。

 実は今回紹介したいのが、私のもう1つのお気に入り 五條市大塔町の高野辻。無雪期は、国道168号線の交差点から車で林道を登ること約20分。標高1000mの世界をいとも簡単に手に入れることができる。こちらのヘリポートから望む大峰山系の大パノラマが、とてもつもなく素晴らしい。しかし、ひとたび寒波が来ると、この林道は寸断されてしまう。チェーンをつけようが四駆であろうが、車で峠を越えることは命がけとなる。ただ、こんな時こそ絶好のスノーシューイング・ルートともなるのだ。
 この日は、1月に入って2度目の寒波。しかし、林道にはすでに何台ものタイヤ痕があり、意外にも高野辻のヘリポートまで車(もちろんスタッドレスタイヤ装着の4WD)を走らせることができた。こんな時は、峠から四方に伸びる林道の1つを選び、スノーシューを装着する。ここには、ニホンジカ、ニホンカモシカ、
イノシシ、タヌキ、テンなどが多く、足跡探しにはことかかない。こうした足跡や糞などをもとに、その落とし主の動物の正体や習性を追跡することをアニマル・トラッキングという。運が良ければ、本人とバッタリ出くわすということもある。

 とは言え、冬山を安易に考えてはいけない。私の場合、高野辻周辺の気象は、1年を通して熟知しており、これ以上は危ないという判断基準を持っている。スノーシューの購入と共に、自分の熟知したルートを開拓することが、スノーシュー・トレッキングの楽しみ方ということになる。もちろん、私を誘っていただくことも妙案ですが。(笑)

けもの道か、崖の下に消えて行った。

 スノー・シュー

 4頭以上のシカが通ったと思われる。
 
 
   

 
   

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