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作詞家山田つぐと

 「作詞家山田つぐと」といってもピンとこないなら「かぐや姫の山田パンダ」。とこちらも、今やある年齢層のフォークファンとしか共有できないかもしれない。南こうせつ率いるかぐや姫では、主にウッドベースを担当していたが、「僕の胸でおやすみ」「君がよければ」「黄色い船」「こもれ陽」「眼をとじて」などの曲は彼の作詞・作曲である。

「君がよければ」  詞・曲:山田つぐと

 君の得意な話をきく季節がくる
 毎年一度だけひどく気どってさ
 そうさ僕のまわりはいつも変わらないよ
 猫が三匹生まれたくらいでね

 ここにはにぎやかな所はないけれど
 今年も又二人で釣りに行こうか
 君がよければ僕のレタス畑なんかも
 見て欲しいから

 君の好きな杏子のジャムの
 今が一番うまい時なんだ
 ここの暮らしもまんざら悪くないよ
 いつでも僕は待っているから

 

「僕の胸でおやすみ」  詞・曲:山田つぐと

 君の笑顔の むこうにある悲しみは
 僕のとどかないところにあるものなのか
 ふたりで歩いてきた道なのになんてさびしい
 古いコートは捨てて 僕の胸でおやすみ

 春は訪れ そして去っていく
 変わってしまう悲しみは僕も知っている
 この船であてのないふたりならば
 古いコートは捨てて 僕の胸でおやすみ





 私は、ウッドベースというスタイルに加え、ほんわかしたあの人柄が好きで、彼の曲も好んで聴いた。彼の曲の詞には、たいがい“待つ男”がいる。学生時代には、その“待つ男”がかっこいいと信じ、そう演じた。今で言う「草食男子」? しかし、それでは恋愛も成就しないと悟ったのは20代半ば。それからは、“攻める男”にギアを入れ変えたことがずいぶんと懐かしい。

 あれから?十年。今、彼の歌声が流れてくると、あの時と変わらず耳に心地よい。とても穏やか気分になるのはなぜだろう。彼の歌はとっくに卒業したはずなのに。根底に流れてる私の鼓動は、やっぱり“待つ男”なのか。
 しかし、こと恋愛に関しては、たとえ一時的であったとしても、男は“狼”にならなければならない。私の場合、その時は“吉田拓郎”にシフトしたように記憶している。そして、ついに成就した時は“大瀧詠一”なんだんあ。

by くりんと