Guitar Case 60

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髭とサングラス

   

男が髭をはやすのは、コンプレックスの表れらしい。
強く見せたい時に、また強く見せる必要がある人は、髭をはやす。
(参照:『人は見た目が9割』竹内一郎・著/新潮新書)
そういえば、戦国武将に髭をはやした肖像画が多い。
イチローがメジャーに挑戦し始めてから、無精髭をはやし武骨さをかもし出したのは、大男たちの中で戦う演出の1つだろう。
アラブ社会に立派な髭をたくわえた男性が多いのは、実は女性より弱いのかもしれない。
ちなみに、髪の毛がさみしくなってきた人に、髭をはやし始める人も多い。

髭をはやすもう1つのスタイルとして、「俺は自由人なんだ」「私は芸術(芸能)関係に携わる人間なんだ」というメッセージもある。
よく似たケースとして、一頃流行った長い髪を後ろで束ねている男性の場合も、これとよく似ている。
サラリーマンの中に髭をはやしている人がいれば、おそらくライフスタイルや趣味の主張であろう。
「今はサラリーマンだが、これは仮の姿なんだよ」と。

さて、芸能人には、普段サングラスをかける人が多い。
これは、私人に返った時のプライバシーを守るため、変装の道具として携帯しているのだろう。
しかし、一般人にとっての街頭でのサングラスは、ファッションであり自由人や芸能関係者を装う小道具でもある。
目は口ほどにものを言う。
その目の動きを隠すことによって、透明人間になった錯覚をおぼえ、幾分大胆な振る舞いができるようになる。
サングラスをかけたとたん、ウルトラセブンに変身し、怪獣に立ち向かえるのだ。

私は、ステージに立つとき、髭をはやしていたり、サングラスをかけたりする。
ステージの上ではほんとは自信がなく、何かしらの力を借りたいのかもしれない。
一方で、何週間も前から髭を伸ばし始めることによって、自分の中の「役づくり」も行っている。
また、ステージ上の「非日常」も演出したいと思っている。

確かな力がついてくれば、小道具は必要ない。
サングラスをかけずとも、髪の毛を逆立てずとも、普段着がステージ衣装となる。
桑田佳祐という名前が、もはやステージ衣装なのだ。

ステージ上の髭もサングラスも、今の私の力の証。
そして、大切なウルトラアイ。
しかも、頭のてっぺんが少しさみしくなってきたときている。

by くりんと