Guitar Case 58

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アーティスト冥利

   

10月の終わり、蹴鞠で有名なとある神社に出かけた。
紅葉には少しばかり早かったが、もう1つ、知り合いが勤める近くのホテルを訪れたいという目的があった。
実は、 知り合いの縁で、そのホテルの支配人をされている方に、CD『六根清浄』を買っていただいている。
今回、その方とは初対面。
しかし、私のWebページ“吉野・大峰フィールドノート”もよくご覧いただいているようで、ひとしきりのあいさつのあと、一座の話から山野草や野鳥、山登りへと話題も転じ、あっという間の1時間が過ぎた。
決して初めてお会いするとは思えないあたたかさを、重ねて頂戴する。

その支配人、胸ポケットからおもむろに四つ折りにしたA4の上質紙を取り出し、「ここに“六根清浄”の歌詞 を印刷したものがあるんですがね、いつも持ち歩いているんですよ」と微笑まれる。
特に4番の歌詞がお気に入りのようで、「私(支配人)の心境をぴったり言い当てている」ということらしい。

 4  20・30と突っ走り 浮世じゃその名もちょいと知られたが 
    六尺の身も山に抱かれりゃ 狐か狸か子鼠か 
    身の丈ほどの書に埋もれて 頭でっかち気取ってみても
    星の名花の名今もって知らず ガキに戻って山歩く 
 
    懺悔 懺悔 六根清浄 懺悔 懺悔 六根清浄

一座の歌 にラブ・ソングは少なく、人生訓を説いたような理屈っぽい歌が多いのがメジャー・デビューを果たせない原因かなと、振り返るこの頃。(笑)
しかし、 こうしてここに、私たちの歌詞を大切に、胸にあたためておられる方にお会いすることができた。
このことは、何ごとにも換え難い「アーティスト冥利」であり、エネルギーへと転化されていく。
すごく大きなお土産をいただいて、夕暮れの山道を軽やかに下る。
もののふ多き峰を望み、しばし 合掌!

by くりんと