Guitar Case 39

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万葉人の恋歌

万葉集をオリジナルのメロディーで歌おうというイベントが、犬養万葉記念館主催あり(さすが万葉のふるさと“明日香”!)、
それを機に、久しぶりに万葉集を引っぱり出してみた。
万葉集をはじめ和歌というのは、今で言う流行歌と、勝手に解釈しているのだが、国撰で上流貴族が作者という歌が多い『古今和歌集』などに比べ、『万葉集』は、名もない作者や地方の歌が多いということに親しみを感じている。
後者は、さしずめ、現代でいうフォーク・ソングやインディーズものを、けっこう撰んでいると言ってもいいのではないだろうか。
私のふるさと大和南部や吉野川に縁あるものも、けっこうたくさんある。

万葉集の歌の題材はというと、やはり、ラブ・ソングが圧倒的に多い。
男性から女性へ、女性から男性へ。
夫から妻へ、妻から夫へ。
はたまた、父から家族へといった歌など、親子愛・家族愛をとりあげたものも含めてラブ・ソングである。
電話やメールのなかった時代。
手紙を送ろうにも郵便制度が整っていなかった時代。
会いにいくための車も電車もなかった時代。
彼女の笑顔を見るための写真がなかった時代。
そんな時代に生まれたラブ・ソングだからこそ、それぞれ万葉人の想いこめた、珠玉の三十一文字と言える。

(6巻・915) 千鳥泣く み吉野川の川音の やむ時なしに 思ほゆる君
(12巻・3154) いで我が駒 早く行きこそ真土山 待つらむ妹を 行きて早見む 
(11巻・2699)  阿太人の 梁打ち渡す瀬を速み 心は思えど 直に逢わぬかも

今の時代にかさねると、高速に車を走らせ、久しぶりに彼女に会いに行く場面だろうか。
そして、渋滞に巻き込まれ、いらいら...。
ちょっと、この解釈では、軽くなってしまったか?

このたび、私は、これらの万葉集を、あえて、8ビートにのせてみた。
いにしえの和歌と言えぞ、万葉人の、愛しい人への熱い想いは、確かにロックへと化す。
8月10日「第1回万葉の歌音楽祭」へ、いで我が駒!

by くりんと