Guitar Case 34

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舞台ノ下ノ出演者

私たち日本人は、音楽ライブや演劇などのパフォーマンス出くわした時、心の内側でひどく感動したり、楽しくてたちまち気に入っても、外見上は平静を装い、「聴き入って」しまったり、「見入って」しまったりする傾向がある。
これが多くの西洋人だと、スタンディング・オベイションで迎えたり、気のきいたタイミングで声援・口笛などを発し、目に見えた形で好感度を表現する。(もちろん、ブーイングもあるだろうが。)
舞台下のお客からの反応がよければ、舞台上の演者は当然のってくるだろうし、こうした舞台上と舞台下とのキャッチボールによって、ライブは盛り上がる。

こうした傾向を知ってか知らずか、例えば、「楽しかった、また来よう!」などと錯覚を抱いてでも帰ってもらわなければならない、テレビのバラエティー公開番組やUSJのアトラクションなどでは、前もって拍手のタイミングやリアクションの訓練を客に仕向ける。
日本人の場合、このようなちょっとした前説によって、画一的なノリなら上手に発せられるものらしい。
したがって、甲子園の阪神タイガースの応援なら、だれもがすぐに参加できる。
また、クラッシクバレーなどという、日本人にとってはさらにリアクションの示しにくい舞台では、客席に、気のきいたところで「ブラボー!」と発するサクラを仕込んでおくとも聞いた。
こうしたことで、ホールやライブ会場のムードはがらっと変わる。

すでに、追っかけがついているようなロックバンドや歌舞伎役者の場合、そういう苦労の必要はない。
練習を仕向けなくても、ここぞというところで応援団が勝手に盛り上がるし、ここぞというところで「成駒屋!」と合いの手が入る。
そうしたファンは、そうした参加の形を楽しみに舞台に足を運ぶのだろう。
比較的聴き入りがちな(シャイな)私などは、そうした追っかけ組みの行動に触発されてから、やっと参加するタイミングや方法を得る。
聴衆は、舞台の上の演者からのみ興奮を得るのでなく、舞台下の過剰反応聴衆組からも、同じくらい興奮を得るものである。
このように、舞台の下にも出演者はいるし、いなければ作るものらしい。
舞台の上と下の両方の出演者によって、ライブは成り立つ。
「ノラぬなら ノラせてみせよう 日本人!」

by くりんと