Guitar Case 22

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河島英五「心から心へ」

河島英五の「心から心へ」をフル・コーラスで聴きたいという予ねてからの願いが、ついにかなった。
比叡山1200年コンサートの映像で、27分もあるこの曲の「結」の部分(下記に抜粋)だけを聴き、以来、「起」「承」「転」を追いかけて十数年。
私の努力不足だったかもしれないが、「河島英五大全集第3巻(徳間ジャパンコミニュケーションズ)」におさめられていることを、このホームページ<Guitar Case 9>を訪れた方から教えていただいた。
デジタルで一方的なコミュニケーション手段と、半信半疑であったインターネットに、人肌の温もりを知った一瞬でもあった。

河島英五の代表曲といえば、「酒と泪と男と女」や「時代おくれ」など"酒豪もの"がよく取り上げられる。
しかし、この「心から心へ」は、力ずくの若き肉体とそれを理解しながらも必至でコントロールしようとする精神の葛藤がうたわれたもので、彼の初期の頃の作品には、こうしたテーマのものが多い。
かつて悩める20代の私が、兄貴と慕ったのはそうした曲だった。

緊張しながらCDのPlayボタンを押すと、アコスティックギターのアルペジオにのせて、
「洗濯機と冷蔵庫が ひとつ屋根の下に暮らしても 愛とか憎しみとか  心みだれることも無いだろう・・・」という詞が聞こえてきた。
私の想像する「起」を絶していた。
足先まで電気が走った。
おそらく、自身のノン・フィクションではないかと察せられる詞が、その後の「承」「転」を織りなしていく。

これまでのベスト・セレクションCDとは違って、この大全集3巻には、そのような曲が多く収録されているようで興味深い。
ただ、私が河島英五を追跡するのは、これぐらいにしておこうと思う。
いい出会いには、その時でなくてはならない"機"というものがある。
歌手河島英五との出会いには、いつまでも体温を残しておきたい。

「心から心へ」(抄)  
詞:河島英五

 
君と僕の  ふたつの心は
ほろびる為に  
愛しあったのではない

白いビンセンに
したためた文字は
長い旅の後の
君への愛

山よ河よ雲よ空よ
風よ雨よ波よ星たちよ
大いなる  大地よ
はるかなる  海よ
時を越える  ものたちよ

あなた達に 囲まれて
私達は  生きてゆく
たった一度きりの
ささやかな人生を
くり返し  くり返し
ただ  ひたすらに

くり返し  くり返し
伝えられてきたものを
くり返し  くり返し
伝えて  ゆくんだ
くり返し  くり返し
心から心へ

心から心へ
心から・・・ 心へ・・・

by くりんと