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映画『山桜』

 藤沢周平の小説を原作とする、篠原哲雄監督の映画『山桜』(2008年公開)が、先日、BSで放映された。折しも、里山では山桜が美しい季節。
 この映画では、3人の「待つ女性」が描かれているように思う。一人目は、野江(田中麗奈)の伯母。結婚を約束した人に先立たれ、その後は自立して独身を通した。野江にとって気になる存在だ。二人目は、手塚弥一郎の母志津(富司純子)。城中で刃傷沙汰を起こして投獄された弥一郎の帰りにかすかな望みをもち待っている。事件後、人の途絶えた屋敷を野江が訪れた際、奥から富司純子演ずる志津が現れたときには、この女優しかないと納得した。そして、三人目はこれから待とうとする野江。ずいぶん遠回りをしてきたが、今度こそ幸せを掴むことができるかもしれないと、志津と共に弥一郎の帰りに希望を抱く。
 私の解釈だが、人々の目を楽しませるために植えられたソメイヨシノと異なって、ヤマザクラはそれぞれが自立していてオンリー・ワンの美しさがある。三人の女性が、それぞれの美しさをもった山桜として、受けた生を全うしようとする、そんな物語だと映った。

> 映画『山桜』公式サイト

by くりんと