Guitar Case 9

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追悼・河島英五氏に捧ぐ

4月16日、雅子さま御懐妊のニュースのかげで、「河島英五さん死去」のニュースが短く報道された。
死因は肝硬変とも流れているが、今年2月から体調を崩していたらしい。
未だ48歳。

ニュースなどでは、「酒と泪と男と女」などで知られるシンガーソングライター、という紹介がほとんどだろうが、私にとっては、少し思い入れが違う。
1975年にファーストアルバム「人類」(その中の「酒と泪と男と女」が後に大ヒット)を発表し、その後ホモ・サピエンスを解散した彼は、77年よりアフガニスタン、ペルー、トルコ、ネパールと旅を続け、80年にその旅の集大成であるアルバム「文明T・U・V」を発表する。
ラブ・ソング一辺倒の日本ポップス界にあって、いわゆる途上国の旅の中で見つけ出合った「人間としての生き方」を題材にしたこのアルバムは、宮沢りえのポカリスエットのように20代の私の乾いた喉を癒してくれた。
そして、「こういう歌なら、俺にも作れる」と、私を導いてくれたミュージシャンの一人である。

もう一つ、比叡山が1200年を迎えたという記念コンサートに、加山雄三や南こうせつらと共演していた映像が忘れられない。
その時は、日本のある山に40日間こもりながら呪文のように生まれてきた「心から心へ」という曲を歌った。
1200年の歴史漂う比叡の森が、徐々に陽をおとし黄昏ていくなかで、この歌が観音様のように舞い降りてくる錯覚を感じたことが、今も新鮮な記憶として残っている。
フルコーラスで30分もあるというこの曲を、その後も追いかけているのだが、どこにどのアルバムに収録されているのか未だわからず、また、他のコンサートでも耳にしていない。(どなたか、この曲の詳細を御存知でしたらご一報を!)

「酒と泪と男と女」のイメージが強いせいか、その後も、酒をモチーフにした「時代おくれ」や「野風僧」がヒットしてNHK紅白歌手の地位も築いた。
しかし、私にとっては、アコスティックギター一本で、旧阪急ファイブのオレンジホールで歌っていた河島英五こそが、兄貴であり師匠である。
「100年たったら天国で会おうよ」なんて、早すぎるぜ...。

P.S. 私の河島英五ベスト5
    
♪ ベナレスの車引き
    ♪ 何かいいことないかな
    ♪ 心から心へ
    ♪ 出発
    ♪ 風になれ

by くりんと